07 楽器購入( 予算の設定 )
概要


サックスは、
ピアノやバイオリン、ギターの様に
修理して 何百年も使う様な楽器ではありません。
(本当は 永久的に使いたいですが。約100年程度と言われています。)
むしろ、長期的な消耗品と思って下さい。
一生使う物として、高い楽器を購入する必要は ありません。
特に初心者の場合、
楽器の扱いに不慣れな場合も多く
故障や事故は 珍しく無いです。
最初の1本目は、無理をしないで
中古楽器や、低価格の楽器をオススメします。
楽器は、
購入すれば終わり という訳では無く
メンテナンス(調整・修理)や 消耗品の補充などが必要です。
私の場合は、10年間の使用で
楽器器本体と同じ位、メンテナンス費用が必要でした。
楽器の予算は、余裕をもって設定する事をお勧めします。
楽器本体の価格の目安
(下記は、アルトサックス、ラッカー仕上げの場合です。)
¥7万以下(超低価格帯)
・家で音が 出せるかな…
・ちょっと触ってみたいな…
・これから、続けられるかな…
という場合に、丁度 良いでしょう。
ただし 修理不可の機種が殆どの為
1年程度しか使用できないと、理解しておいて下さい。
すぐに辞めてしまった場合でも、少し割高な気もします。(¥5〜7万/年)
音に期待はしないで下さい。
あと、タンポを接着剤で取り付けている事が多く、強烈な化学臭がします。
(私は、長時間演奏できませんでした。)
上達して、上位機種を購入した場合は
スペア楽器としての活用方法もありますので。
野外での練習用や、
友達に貸して仲間を増やす …等
使い道は 色々とありますが。
私なら。同じ価格で購入できる
状態の良い、中古楽器を選択肢に入れます。
その方がリセールバリューも良いので。
上位クラスの楽器への買い換えや
楽器を辞めた場合のリスクを、最小限に抑えられます。
【耐用年数 1年未満】
■ ケルントナー、Jマイケル、ノーブランド 他
¥10〜20万(低価格帯)
無理をする必要はありません。
この価格帯だからこそ 吟味して、
より良い楽器を手にして欲しいです。
(プロ音楽家に、楽器選定を依頼する事を推奨します。)
個人的には、
このクラスの質が良くなったので。
¥30〜40万の中級クラス の楽器を買うなら
¥20万の、低価格帯の楽器を2本
「ソプラノ・アルト」か「アルト・テナー」
のサックスを所有した方が、実用的で 楽しいと思います。
小さい修理をして 使い続ける事は可能ですから。
本体価格を超えない程度の、
1〜2回のオーバーホール(総点検)まで、修理して使えるでしょう。
今、経済的にお得な価格帯です。
【耐用年数 10〜20年程度】
■ アンティグア(スタンダード)
入門用|学生用としては
「アンティグア スタンダード」を薦めます。
音は、セルマーに近く。 左手サイドキーが 大きめですが。
コストパフォーマンスは最高です。
ソプラノは、もう1段階 安いモデルの、エルドンでも大丈夫です。
バリトンは、音は良いのですが。調整が狂いやすく、長距離輸送が困難な為、お薦めしません。
¥30〜40万(中級機種)
学生から一般まで広く使われる、1番人気の価格帯です。
少し贅沢な感じがウケている様です。
楽器店で よく薦められる価格帯です。
最近は、
低価格帯の楽器が 頑張っているので。
価格差に見合うだけの、「性能|耐久性」があるのか
消費者の厳しい目で 品質を見て欲しいなと感じています。
状態の良い楽器なら、修理をして 10〜30年は使える楽器です。
個人的には、
本物志向の方は、最上級モデルの購入を薦めますが。
アマチュアなら、¥10〜20万クラスで十分です。
その分、レッスン代、音響設備、楽譜代 に投資した方が
より音楽を楽しめるのでは無いでしょうか?
【耐用年数 10〜30年以上】
■ ヤマハ(62シリーズ)
■ ヤナギサワ(WOシリーズ)
¥50〜100万(上級機種)
ジャンルや 演奏スタイルに合わせて選んで下さい。
ただし、Jazz用と されている楽器は
Classic|吹奏楽では使えない物が多いです。
本当に良いものは、ジャンルなど関係ありません。
(ヤマハの、Zシリーズは、クラシックでも使えます。)
あと、高い楽器だから どれも安心。
…と言う訳ではありません。
むしろ、個体差が大きいので。
自分の考えを持っている人でないと、迷ってしまうので。
未経験者の方にはお薦めしません。
(車の仮免許を取得したばかりの人が、高級車を運転する様なイメージです。)
高いスペックの道具を扱うには、それ相応の技術を必要とします。
アマチュアの方は、
御自分の考えに近い、プロ音楽家に
楽器選定の依頼を お薦めします。
このクラスで、本当に良い楽器に出会えたら 一生物です。
【耐用年数 50〜100年以上】
■ ヤマハ(カスタム、875、Z)
■ ヤナギサワ(WO10, WO20)
■ セルマー(シリーズ2、シグネチャー)
¥120万以上(超上級機種)
本当に必要でしょうか? 選べる本数も少ないですよ。
自宅用に、200インチのテレビとか買わないでしょう?
企業の技術力のアピールとか、展示用だと思っています。
値段が高いのは、
「金・銀の値段が高い」のであって。
「音が良い」のではありません。
そこを錯覚してはイケません。
(なぜ貴金属ばかりなのでしょうか?
もっと安くて良い素材もあるハズです。)
このクラスの楽器は、
店頭に1本あるかないかですので。
選定が出来ません。
有名プロの場合は、
工房や倉庫での試奏が可能なので。
自分の好みに合った楽器を選べるかもしれませんが。
一般の楽器店では、良い物はまず無いでしょう。
もし、シルバーやゴールドの音に惚れ込んでいるのなら
ネック交換で十分だと思います。
ネック交換ですら、難易度の高い選定技術が必要ですので。
この事を理解しておられる、楽器に熟知された方なら、
高額機種を選ぶ事の難しさも ご存知かと思います。
私は、お薦めしない 価格帯です。
【耐用年数 50〜100年以上】
補足
よく、「良い楽器の方が上達が早い」という言葉を耳にしますが
この「良い楽器」というのは、
メンテナンスの行き届いた「良い状態の楽器」と、解釈して下さい。
「高い楽器の方が上達が早い」という言い方はしませんよね。
様は、本人の取り組み方次第です。
自分に合った、価格クラスをお選び下さい。
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