05 リード(使い方)
[1] 唾液で湿らせる[×]
一般的には、リードを湿らせて使用する事が多いですが。
私の場合、リードを、唾液や水で濡らしません。
乾いたまま使用します。
そもそも、リードを湿らせる理由は、
適度な湿気を与え、リードとマウスピースを密着させる事です。
そして、自然界に生育している湿度が
最も リードがしなり易い(鳴りやすい)状態だとされています。
その為に、事前に リードを濡らし、
すぐに、演奏を可能にする事が、主な理由と考えられます。
人間の呼気には、適度な湿気が含まれていますので
1〜2分の演奏で、丁度良い湿度になります。
あえて、リードを濡らす必要はないでしょう。
(演奏中にリードを交換して、即 演奏する状況を除いて)
あと、水分を含み過ぎると
音質低下や、音程が下がる傾向になりますので。
定期的に交換して下さい。
・
個人的に、唾液で湿らせる… と言うのは、不衛生だと思います。
(1ヶ月 舐め続けた割り箸で、ご飯を食べられますか?)
リードは、通常 水洗い(※) できませんので。なおさらです。
学校の備品や、中古楽器を見ると
楽器の表面や内部に、唾で拡散したと見られる
オブラート状の薄い膜が見られます。
(水分を含ませると、口臭の臭いがします)
コロナ禍 以降、飛沫感染リスクを避ける為にも
リードを舐める行為は、お薦めしません。
・
(※)リードの水洗い
植物細胞の形が変形し、植物内の糖分が抜けて音に影響します。
汚れが気になる方は、
お手拭きで 中央から先端に向かって拭きます。
(オーボエやファゴットは、リードを洗う様ですが…)
[2] リードの取り付け
マウスピースの平らな面が見える様に向けリガチャーを取り付けます。
ネジは少し緩めておいた方が、セッティングしやすいです。
この時、平らな面(※以降、テーブルと呼びます。)を
傷付けない様に 注意して下さい。
↑ テーブル
↑ 先に金具を装着
↑ 間にリードをはさんで止めます。
(締めすぎると、金具が伸びて寿命が早まります。ズレない程度でOK.)
↑ ネジ山が見えないなら 買い替え時期
リードからはみ出て見える、テーブル部分を見て
左右、ヒール部分にゆがみが無いか、確認します。
同じ分量だけ見えていれば、真っすぐに取り付けられています。
↑ はみ出したテーブルの量を確認。
↑ はみ出した、リードの長さが左右同じ。
マウスピースを横から見て、隙間を確認します。
リードを手で押し、隙間を塞ぎます。
塞いだ状態のまま、先端を確認して
テーブルと、リードが「内接」する様にリードをセッティングします。
(テーブルのふちと、リードの先端の2点が触れる様に。)
おそらく、この状態を「髪の毛1本分の隙間」と言ったんでしょうが。
感覚的な表現は、誤解を招きやすいので。私は、この様に説明しています。
この手順だと、毎回同じ位置に 狂いなくセッティングする事が出来ます。
コンディションによって、多少 工夫する事もありますが。
基準あってこその、応用です。
[3] 1回の使用目安
リードを 長時間 使用すると、
水分が浸透し
蜜リンゴの様になります。(下図↓)
使い続けると リードから糖分が抜け
(新品のリードは、変な味がします)
中音域が痩せ、高音域が強調されます。
あと、水分を含み過ぎると
先端が重くなって振動しにくくなる為
音質劣化や、音程が下がる傾向です。
マメに、交換してあげて下さい。(私は、1時間毎に交換しています。)
[4] リードの寿命
固い目のリードを、マウスピースに馴染むまで使い。
その状態で微調整を行ったリードを、長く使われる方もいますが。
(半年〜1年以上、クラシック系)
私は、新品の状態から20〜30回が
良く鳴る状態だと考えています。
(木の反りが無い分、バネの反発力が大きい為)
毎日 演奏する人でも、
1〜2ヶ月に1度、リードを交換すれば
良いコンディションを 維持出来ます/
新品と比べて、
下記の様な不快感を感じたら、交換時期の目安です。
・リードの先端が割れた
・リードミスが多くなった
・大(小)音量が出しにくい
・音がこもる(息が詰まる) …などが、寿命のサインです。
[5] リードの保存
リードを使用すると、マウスピースの形に反るので
元に戻す為、平な所で乾かします。(ガラス板が定番)
直射日光を避け、風通しの良い場所で、保管して下さい。
楽器ケース内ではなく、別に保管しましょう。
舞台の本番や結婚式など、
人目を気にする場面では、市販のリードケースを使いますが
普段は、プラスチックのホルダーで十分です。
数枚を ガムテープで止めれば、リードケースの完成です/
※ 11枚/1セット がお薦めです。
1つ余分に空ける事で、ローテーションが しやすいです。
[市販のリードケース]
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