サックス 教室 楽譜 大阪 堺|Sax Artist uzu

31 ダブルリップ アンブシュア


コラム31 3

楽器を初めてから 約25年
下唇のみを巻いて演奏する
「シングルリップ」
で音作りをして来ましたが。

年齢に伴ってか 分かりませんが。
長年の演奏で、前歯に負担がかかっている様で。(※注)
歯にはクラック(ひび割れ)が見られ
いつ歯が 根本から折れても
おかしくない状況になりました。

10分程度の演奏で、痛みを伴うので。
もぅ、演奏も無理だと思いました。


そこで。
以前から気になっていた。
上下の歯とも 唇を巻いて演奏する
「ダブルリップ アンブシュア」
に切り替える事にしました。

[写真]
Scales for saxophoneより引用

有名なプレイヤーの中にも、
ダブルリップで演奏される方が
クラシック、ジャズ関係なくいらっしゃる様で。
少し希望を抱き、挑戦してみる事にしました。

・ ジョン・コルトレーン
・ ブランフォード・マルサリス
・ スタン・ゲッツ
・ 阪口 新 (後に、シングルリップに変更)
・ 雲井 雅人(アンブシュアのチェックの為)
... 他


(※注)前歯の裏側から正面に向かって、力が掛かる様です。
左手親指を強く押さえて、
マウスピースを歯で固定される方は要注意。

私の場合は、
オクターブ以上の跳躍がある箇所で
瞬間的に、左手親指に力が掛かり、
歯に負担が掛かっていた様です。

ダブルリップアンブシュア のやり方

演奏方法は、単純です。
下の歯に唇を巻くのと同様
上の歯にも、唇を巻くだけです/

唇を巻くと言うと
初心者の場合「巻き込む」位、
多く巻いてしまいますが。(10〜20mm)
被せる程度(2〜3mm)で大丈夫です。

コラム30 1

ダブルリップを使い初めてから、約6ヶ月経ちましたが。
最初の頃は、ふわふわした 噛み心地に
音程や音色が 安定しませんでしたが。
今では、意識せずとも自然に口が収まる様になりました。
歯の痛み、唇の痛みもありません。

現在では、
ソプラニーノから、バリトンまで
最低音から、フラジオ
極小さい音から、大音量まで
何の問題もなく演奏できています。

むしろ。
フラジオは、少し成長したかも知れません(笑)

両方の奏法を比較してみて(左 : シングル 右 : ダブル)

コラム30 3 コラム30 3

■ シングルリップ

[長所]

・上唇は、息漏れを防ぐ程度です。
 ほぼ下唇のみで音色を操作します。

・正しい息を 習得していない方でも
 強く噛んで高音やフラジオが出ます

・上唇は 口内炎になりにくいです。

[短所]

・前歯に負担をかける事があります。

・噛み過ぎ傾向に気付きにくいです。

・歯から頭蓋骨に伝わる振動が大きく
 疲労骨折 (歯) の可能性があります。
 個人差がありますし。 素人の推測ですが。


■ ダブルリップ

[長所]

・噛むと痛みを伴うので、
 噛まない奏法を 自然に覚えます。

・殆ど噛まないので、
 リードの振動を十分に生かせます。

・「骨伝導」の音が減るので。
 客席で聴いている音に近い状態で
 音作りが可能です。

・歯の接触部分が摩耗しないので。
 マウスピースパッチが不要です。

・楽器店でのマウスピース試奏も
 パッチ無しで行う事が可能です。(要事前確認)

[短所]

・口の筋肉を繊細に扱うので。
 厚いリードで、噛み癖のある方には習得が難しい …かも。

・異端視扱いされるので、
 先輩や指導者の白い目が気になる…
 (優しく見守って欲しいです。笑)


まだ、生徒さんには、
シングルリップが一般的です …と説明していますが。
将来的には、ダブルリップが一般化する事を願っています。

特に、長く楽器を続けたい
・プロ奏者
・御高齢の方
・長時間練習される学生
・歯にトラブルを抱えた方
…など
(健康な方も含めて)

体の為にも、音の為にも 利点が多い奏法ですので。
是非、一歩前へ 踏み出す事をお薦め致します♪
早ければ、1ヶ月で移行が可能です。

[2017_09_19]


私の、ダブルリップ アンブシュア
初採用は、2017年03月末
初録音は、2017年04月22日
です。


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