23 リードの削り方
リードは極めて高い精度の機械で削られているので。
殆ど削る必要が無いと思いますが。
バリトンサックス用 リード
[バンドレン : トラディショナル]
は、現在「2番」までしか
販売されていません。
その為、どの様にすれば
1番のリードを再現できるか
削り方を 見直してみました。
厚さの異なるリードを計測して
どの部分を削れば良いのか、調べてみました。
まずは、
ショルダー(表皮)から
ティップ(先端)までの
「長さ」「横幅」を、4等分します。
縦横の交差する点の、リード厚さを
ノギスで計測した数値(1箱平均)が以下です。
単位(mm)
※ 先端部は、0.1mm以下の為、計測不能でした。
もっと精度の良い道具が必要かも知れませんね。
数字を見ると、
0.1mm 単位の線対称で、綺麗に削られています。
ショルダー(表皮に近い部分)と
ハート(中央の厚い ∧ 部分)は
リードの番号とは関係なく、厚さは一定ですので。
この部分は、削る必要がありません。(※1)
薄い番号になるにつれ、
両横(エッジ)は、中央から先端に掛けて、薄くなっています。
縦の中央部分も、極 少し削られています。
(※1)息を吹き込んで、リードがマウスピースと密着した時に
離れる為の板バネとしての役割を果たしていると考えています。
(コシの強さ に相当)
試しに、2番のアルト用を
1番に近づける様に削ってみました。
私が使用しているのは、
耐水ペーパー 1500番以上です。
※ 目が細かい為。金属や石の研磨は、濡らして使いますが。
木材は、乾いた状態で行います。
作業用の 平らな板(木 or ガラス)の上にリードを置いて
表皮から先端へ、繊維の方向に沿って
指の腹を使って、均等に削ります。
・
私の場合ですと、
10回擦ると、0.1mm削れる様ですので。
[1]両横(エッジ)を 10回
[2]中央上部から先端 を 5回
で、2段階 下の厚さになりました。
(2番→1番)
先端 (ティップ) は、計測不能ですが。
実際に、演奏した感覚では、
数字の小さい番手ほど、僅かに薄い様です。
削る事による、部位毎の効果は…
[1]両横(エッジ)
リードの厚さの違いは、主にこの部分です。
特に、低音の反応が鈍いと感じた場合に、削ります。
[2]先端(ティップ)
全体的に、反応(レスポンス)を上げたい時に有効。
(鳴らないリードの多くが、この部分が厚いです)
[まとめ]
リード上部の側面
リード先端
を、2:1の割合で削れば、好みの厚さに調整可能です。
・
リードは、既製品でも 0.1mm単位で削られていますので。
自分に合った、厚さのリードであれば
基本的には、何も手を加えないで 良いと思います。
(1箱に1〜2枚しか使えない様なら、もう2ランク薄い物を薦めます。)
ただ、
・既製品以上の精度で仕上げたい
・特注サイズのリードを使いたい
という方は、自分で削る選択肢もあると思います。
たった1回(0.01mm)擦るだでも、状態が変化しますので。
繊細な違いが分かる方のみ、
お試し下さい ♪
・
[追記]
木材は、高い湿気を含むと膨らむ性質があるので。
凹んだフローリングの補修に、アイロンの蒸気を使う場合がありますが。
リードも、呼気に含まれる湿気の多い環境で使用しますので。
リードの裏面が、(U時型に)膨らむのと同様、
リードの表面も、膨らんでいると考えられます。
好みの厚さに調整しても
少しずつ状態は変化しますので。
状態が安定する、2週間から1ヶ月は
自分の感覚に合わせて、微調整を繰り替えす必要があると考えています。
あくまで、奏法が安定した 上級者の場合ですが。
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